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身近な感染症
〜 B型肝炎ワクチンについて 〜

B型肝炎は東南アジアに多くてキャリアと言われるウイルス保因者からの輸血や接触で感染します。以前は輸血が主な感染ルートでしたが献血のチェック体制が整って輸血による感染はほとんどありません。現在では母から子どもに感染する垂直感染と、性行為や喧嘩などの接触による水平感染が主となっています。
日本では母親から赤ちゃんに感染するのを防ぐため保因者の母親のうち特に感染力の強い(e抗原陽性)人を対象にして垂直感染防止のプログラムができています。赤ちゃんが産まれたらすぐに臍の緒の血液を調べてまだ感染していないことを確かめてγグロブリンを注射します。その後γグロブリンの効力が落ちる前にワクチンの接種を行います。
B型肝炎は人から人に感染する病気ですから、このプログラムをすべての感染者に実施すればいずれはなくなるはずです。しかし現実にはB型肝炎の患者数は思ったほど減っていません。
アメリカでは保因者からの垂直感染防止プログラムでは患者数を減らすことができないという調査結果をもとに赤ちゃん全員にワクチンを3回接種することになりました。台湾や韓国、フランスなども全員にワクチンを接種することになっています。
アメリカやフランスでは他にインフルエンザ菌のワクチンも全員接種ですので赤ちゃんは日本に比べると本当にたくさんのワクチンを受けることになります。
日本では任意接種でしかもワクチンが高価なので接種する人は多くありません。しかし東南アジアなどのキャリア率の高い国に住むつもりなら受けておいたほうがいいでしょう。また保育園などでまれに肝炎の小流行がありますので集団保育をしていて気になる人も受けておくと安心です。
副作用はアレルギー反応などをのぞくと大きなものはありません。

2003/5/5 5:20 更新


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