【病院によって薬が違う?効果が違う?】
◆同じ目的の薬なのに、病院によって処方される薬の種類が違うのはなぜですか?
◆病院によって、薬の効き方が異なります。どうして違うのか知りたいです。

 同じ成分の薬でもメーカーが違うと製品名が違います。【サワシリン】【パセトシン】【ワイドシリン】はすべて同じ成分(=アモキシシリン)です。他にも【アモリン】【エフペニックス】など、アモキシシリン成分の薬は、10以上あります。
 では、同じ成分ならどれを選ぶかですが、@その子が好む味や香りのものを使う。A医師はそれまでの経験で自身がよく処方してきた商品、つまり「使い慣れた商品」を処方する傾向がある(同じ成分でもあまり浮気?をしない)。B同じ成分なら患者さんの負担にならないよう価格の安いメーカーの商品を選ぶ医師もいる。
 「同じ目的の薬なのに…」とお母さんが感じるのは、おおよそこうした理由によるものではないでしょうか。
 また、お母さんには「同じ目的の薬」に思えても、実は成分や目的は微妙に違っているという場合もあります。たとえ「かぜ」という診断は同じでも、そのときそのときで症状やその重い.軽いは違うからです。特に菌が原因の病気であれば、原因菌によって使う抗菌剤の種類が違ってくるのも当然です。病気は毎回違うのですから、むしろ「同じ薬」のほうがおかしいといえませんか?
 薬の効果についても同様です。「病院によって効き方が異なる」のではなく、病気によって効果の出方も違うのです。
 たとえば菌が原因の病気での発熱なら、適正な抗菌剤を使えば熱も下がっていきます。でも、ウィルスによる病気だったら抗菌剤を飲んだからといって熱は下がりません。
 実際、子どもにはウィルスによる病気が多く、これらの病気は薬が治してくれているわけではありません。たとえばアデノウィルスによる扁桃炎や咽頭結膜熱(プール熱)などは、どんな薬を用いてもだいたい5日間くらいは高熱が出ます。自然に治るべき時期にきたから、治っているのです。対症療法の薬については、薬が効く=治すではないことを、理解しておきましょう。

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【どうしても飲めない・・・】
◆病院でもらった薬をどうしても飲めない場合、飲ませなくても大丈夫なんでしょうか?
◆最初は練って口に入れたら、とうとう口を開けなくなって、食べ物、飲み物に混ぜてもダメ。思い切って、飲ませるのをあきらめました。薬はあくまで緩和であって、治す薬はないから…。でも、結局どうなのでしょう?

 水に溶かしてシャーベットにする…、好物に混ぜる…、お薬服用ゼリーを使ってみる、練ってお団子状にして頬の粘膜になすりつける、そんな工夫を重ねてもどうしてもダメというなら、しかたありません。鎮咳薬、去痰薬など対症療法(症状を緩和するのが目的)の薬で、緩和しなくてもよい程度の症状なら、無理やり飲ませなくてもいいですよ。
 一方、どうしても飲んでくれなければ困る薬もあります。菌による病気のときの抗菌剤が代表です。
 むろん、どうしても粉薬がダメというなら抗菌剤でも坐薬がありますし、注射という手も残されています。でも、そこまでしなければいけない子はまれ。お母さんが根性すえて、腹すえてかかれば飲めます。飲めるものです。つまり「この薬は絶対に必要」というお母さんの理解と“気合い”です。

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【処方の希望は聞いてもらえる?】
◆できれば粉薬は処方してもらいたくないのです。無理ですか?
◆たいてい3日分処方されますが、失敗すると1回分が飲めなくなるので、少し多めにくれないかなと思いますが、ダメですか?

 ぼくのクリニックでは、お母さんから特に申し出がないかぎり、原則として粉薬を処方しています。なぜかというと、水に溶かしたときなども、飲む量が少なくてすむから。少量ならだましだましでも、赤ちゃんに何とか飲ますことができるからです。
 シロップは、赤ちゃんがいやがったとき、必要量をきちんと飲ませられないことがあります。また、シロップは日数分がまとめてボトルに入っているので1回量が不正確になりやすい。まちがえて一気に飲ませたりしても大変です。粉薬にくらべて日持ちしないということもあります。
 でも、粉が苦手というならシロップで出しますから、診察のときに言ってくださればOK。味なども、苦手なものがあったらぜひ言ってください。
 なお、慢性の病気ならともかく、一時的な感染症なら、全部きっちり飲むのを前提に必要最低限の量、日数の薬を使うのが原則です。「多めに」「余分に」は必要以上の薬を用いることにもなり、意味がないばかりか、有害ですらあります。失敗して早めに薬がなくなってしまったなら、再受診して追加の薬をもらってくださいね。

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【市販薬の使い方を教えて!】
◆1才くらいの子でも安全な市販薬はある?
◆「ときにはこうした市販薬でも十分」という目安は?

 市販薬は処方薬にくらべ、一般に作用がおだやかです。だから安全ともいえます。
 けれど、総合感冒薬は疑問です。せき、鼻水、のどの痛みなど、すべてに対応する成分が入っているからです。せきだけなら他の成分はいりません。不必要な成分まで体内に入れてしまうわけですね。処方薬は「せき」なら「せき」、と一つ一つに対応させますから、不必要な薬を飲むということがありません。
 また、子どもの市販薬は年齢によって成分量は変えてあるものの、○〜○才などの表示です。一方、処方薬はその子の体重に合わせて成分量を決めています。また体質なども考慮します。市販薬は万人むけの既製服、処方薬はオーダーメードと表現されるゆえんです。
 それはつまり市販薬には、あまり強烈な効果はないということ。実際、市販薬でも十分な症状というのは、極端に言えば「薬がなくても十分な症状」です。
 「1才以下の赤ちゃんには市販薬は用いないほうがいい」とよくいわれますが、大人であれ、市販薬は結局一時しのぎ。病気のときは病院を受診するほうが賢明です。
 ちなみに、卵や牛乳アレルギーのある子は使えない市販薬もあるので、購入するなら薬剤師さんに確認してからにしましょう。

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【飲ませる回数&量】
◆薬を飲ませようと思っていた時間に寝てしまって、時間がずれて、3回のところ2回しか飲ませられません。起こしてでも飲ませるべき?
◆量を指示どおり飲めなかった場合、次回、飲む量をふやさなくてもいいんでしょうか?
◆飲み忘れたときは次回、2回分を飲ませるべき?

 忘れてしまったり、飲ませられなかったのならしかたありません。下のイラストも見てください。これは菌と抗菌剤の闘いを例にしたものです。有効な濃度の薬が血液中にあるうちは、菌も減っていきます。飲み忘れたときは空白の時間帯ができることになります。この間は薬の血中濃度が低くなるので菌はふえるし、そのために治りが遅くなるかもしれません。
 でも、失った空白の時間は取り返せません。この時間帯は薬成分が体内になかった=薬の効果は得られなかったというだけです。
 ここでもし2回分を飲んだら、薬の血中濃度も1回の必要量の2倍になってしまいます。だから2回分をまとめて飲ませるのは原則としてダメ。ただ、すでに前の薬から4時間以上たっているなら、次回、予定より早めに飲ませてOKです。

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 一方、対症療法の薬は症状がつらくなければ飲まなくてもかまいません。寝ているくらいであれば、薬なしでも大丈夫かもしれませんので、起こしてまで飲ませなくてOKです。ただ、なかには○時間ごと、とコンスタントに飲まなければ効果の出ない薬もあります。インフルエンザの薬などがそうです。処方されたときに、確認しておきましょう。

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【「食後」と指示されているけれど・・・】
◆「食後」と指示される薬がほとんどですが、食欲がないときはどうするんですか?
◆吐きけがあって、食べ物は無理。何も食べていないので、食後の薬を飲ませなかったのですが・・・。
◆おなかがいっぱいになっていると、食後の薬を飲みません。

 1日3回の薬は、便宜的に「食後」に指定されている場合もあります。ポイントは「飲み忘れない」「一定間隔で用いる」ということです。ですから、食事時間にこだわらなくてかまいません。
 たとえば鎮咳薬や気管支拡張薬などは、せきがひどくなる寝入りばながいちばん効いてほしい時間帯。ですから、寝る少し前に飲ませるようにしてもいいのです。「何も食べていないので薬も飲ませなかった」という話もよくあるのですが、たとえ何も食べていなくても薬は飲んでください。「空腹時に薬を服用すると胃が荒れるのでは」と心配する人もいますが、赤ちゃんに処方される薬には、胃が荒れるようなものはありません。むしろ抗菌剤などは、空腹時のほうが吸収がいいのです。
 実際、赤ちゃんはおっぱいやミルクでおなかいっぱいになったあとでは、おいしくもない薬を飲んでくれません。また飲んだ薬を吐いてしまうこともあります。むしろ空腹時に飲ませ、口直しにミルクや好きなものを食べさせてあげるほうがおすすめです。
 嘔吐症状のあるときは、坐薬を処方するか、薬なしで嘔吐がおさまるまで短時間の絶食をするのが一般的です。嘔吐も、たいていは半日〜1日で峠を越すからです。

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【薬をいつやめるべき?】
◆症状がよくなってきたら、薬はもう飲ませなくていいの?それとも、もらった分だけ飲ませたほうがいいの?
◆どの程度、症状がおさまれば薬をやめていい?
◆「下痢止めの薬は症状がおさまったら中止してね?。でないと便秘をするから」と言われたのですが、やめると下痢の繰り返し。いつやめるべきでしょうか?

 薬には「症状が軽くなったらやめていい薬」と「処方された分はすべて飲みきる薬」の2通りがあります。
 前者の薬の場合、やめる目安は「赤ちゃんがつらくなさそうなら」、そして「お母さんが気にならなければ(ケアで十分乗りきれると感じるなら)」です。そのときそのときで違うということですね。
 下痢止めなどは、「やめるとまた下痢」ということは確かにありますが、実はこれでいいのです。なぜなら、薬をやめてみないと下痢がおさまったかどうかわからないから。おさまっていないなら、また薬を使います。このように、対症療法の薬であれば、薬と症状の追いかけごっこでいいのです。

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【残った薬、また使ってもいい?】
◆飲み薬が残った場合、保存しておいて、同じ症状が出たときに使っていいでしょうか?
◆余った薬はいつまで使えるのですか?再発したときに、使ってもいいですか?

 そもそも、絶対に残るはずのない薬がありますよね。抗菌剤や抗ウィルス剤がそう。これらは何日間投与するという計画のもとに処方されます。また、シロップも残った分はすぐ捨てるのが鉄則です。仮に残ったとしても、使ってはいけません。
 一方、対症療法の粉薬は確かに残ることがあるでしょう。でもこれを次回使うのも、やはり避けてください。似たパターンでせきや発熱があっても、同じ病気とは限らないからです。再発に見えても違う病気ということも、よくあります。

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【解熱剤は使ったほうがいい?】
◆坐薬の解熱剤を処方されましたが何となく抵抗を感じて使いませんでした。使ったほうがいいのでは 何才くらいからですか?
◆「38.5度以上の熱が出たときに使ってください」と解熱剤をもらいましたが、38度くらいで苦しそう。結局、使いませんでしたが、使ってもよかったのでしょうか?
◆総合病院で受診のたびにドクターが違うのですが、「熱でつらそうなら解熱剤を使ってね」というドクターと、「なるべく使わないでね」というドクターがいて迷います。

 お母さんが迷うのも無理はありません。乳幼児に対する解熱剤の使用は、医師の間でも意見がいろいろだからです。「ダメ、使わないほうがいい」と言う医師もいれば、「症状に応じてじょうずに使いましょう」と言う医師もいます。
 ただ、少なくとも5〜6才以下の子に安心して用いることのできる解熱剤成分は、アセトアミノフェンだけ。これについての意見は、一致しています。これ以外の成分を使う医師は、小児科専門医なら、まずいないと思います。
 ぼく自身は「本人が熱で苦しいなら、じょうずに使ってあげてよい」という立場。目安は確かに38.5度ですが、つらそうなら38度で用いてもかまいません。解熱剤を用いてもそれは一時的な効果ですし、病気そのものが治るわけではありません。熱が下がって楽になる、眠れる、水が飲めるなどのことが大事なのです。
 なかには「解熱剤を使ってしまいました」と申しわけなさそうに言うお母さんもいますが、そんなふうに使用に罪悪感を持つこともないと思います。
 実際、解熱剤を使わずに本人が快適になるまで熱を下げてあげるのは至難のワザです。市販の熱冷まし用シートについての質問も多かったのですが、これも気持ちはいいかもしれませんが、熱を下げる効果はありません。
 むしろ熱を下げてあげたいなら「スポンジング法」がおすすめです。これは30度くらいのぬるま湯でしぼったタオルでおなかや背中をふき、タオルがあたたまれば取り替えて、繰り返し15〜20分つづける方法です。これで、うまくいけば通常は38度台まで下げられます。お試しください。

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【抗菌剤への疑問・不安】
◆熱があれば、ほとんどの場合、抗菌剤を処方されます。症状がよくならなければ引きつづき出されます。そんなに長く抗菌剤を飲んでも問題ないのでしょうか。
◆抗菌剤はどれくらいの期間、飲みつづけても大丈夫なのでしょうか。
◆「抗菌剤はふつうのかぜには効かない」と新聞にも出ていたのに、出すお医者さんと出さないお医者さんがいるので迷います。出されたら飲むべき?

 お母さんたちの疑問はもっともだと思います。事実、抗菌剤はウィルスには効きません。ではなぜ抗菌剤が処方されるか。二次的な細菌感染を予防する目的だとか、見ただけでは細菌感染かウイルス感染かわからないので念のために投与するとか言われています。
 しかし「ウィルス感染症にかかっているとき抗菌剤を投与すれば、二次感染の予防になる」というエビデンス(データによる証明)は、現在のところありません。つまり、予防できるとはっきりわかっているわけではないのに投与されているのが実態なんですね。
 小児科医の学会では、こうした「念のため」「とりあえず」の処方はもうやめよう、という意見が強くなっています。
 なかでも問題になっているのはセフェム系第3世代の抗菌剤です。この系列の薬は、長く使っていると耐性のある菌が生まれてきやすいのです。熱があるからといって何でもかんでも抗菌剤を投与していると、本当に菌による病気になったとき、なかなか抗菌剤が効かないということになりかねません。
 また最近はペネム系をいう新しい系列の抗菌剤も登場しましたが、これも、それ以外の抗菌剤では効かない菌のために大事にとっておきたい薬です。
 たとえて言えば、ペニシリン系はライフル、セフェム系はマシンガン、ペネム系は最後の切り札ミサイルです。敵(菌)をやっつけるためには、相手に合った必要最小限の武器から用いるのが大切なんですね。
 もしあなたの主治医が「熱が出れば抗菌剤」なら、抗菌剤が本当に必要かどうか、聞いてください。医師には説明する責任があります。納得いかないようなら、病院をかえてもいいでしょう。服用の期間についても、医師は必要だから処方しているはずですので、同じように説明を求めてください。

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【ステロイド薬への不安】
◆ステロイド薬を正しく使わなかったときの副作用って?
◆ステロイド薬を使いすぎると抗菌剤が効かなくなるって本当?
◆ステロイド薬は、どのくらいなら使いつづけていいのでしょうか?

 ご質問を寄せてくださったのは、アトピー性皮膚炎のお子さんをお持ちのお母さんではと推察します。アトピー性皮膚炎の治療の最初の選択はステロイドの塗り薬ですからね。しかも、ある程度の期間は使うことが必要になりますから。
 アトピー性皮膚炎の場合では、休みなく使いつづけていると、皮膚が薄くなったり、血管が浮き出したりすることがあります。アトピー性皮膚炎の起こっている部分はもともとバリア機能が低下しているのですが、さらに抵抗力が落ち、カビや菌などにも感染しやすくなります(抗菌剤が効かなくなるということはありません)。
 また、皮膚から慢性的に吸収される‥‥‥、つまり外から常にホルモンが入ってくるので、体内でステロイドホルモンを分泌する副腎の機能が抑えられてしまうことも、まれにあります。けれど、医師はこうしたマイナス面も念頭に置きつつ、それでも必要だからステロイドを処方するのです。いま述べたようなことが起こらないよう、必要最低限、短期間の使用ですむように、いろいろ工夫もしています。いきなり中止せず、段階的にランクや量を減らしでいくのも、そのひとつ。
 ステロイドはアトピー性皮膚炎の治療にすぐれた効果を発揮する薬ですから、そのように、正しく用いることが必要です。適正に使うことまで、むやみに嫌うのも問題ではないでしょうか。
 まずどのくらいの期間使うのか、そのほかどのようなケアをしたらいいのかなど、しっかり医師に聞いて下さい。塗り方やスキンケアの指導もなく、ただ「塗ってください」という指示しか出さない医師なら、病院をかえてもいいでしょう。

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【薬を使いすぎると効かなくなる?】
◆薬に頼ってばかりいると、体が慣れて弱くなると聞いたことがありますが、本当ですか?同じ薬を飲みつづけていると、効かなくなったりすることはありませんか?

 これは誤解です。薬が病気を治しているわけではありません。薬は症状をやわらげたり、原因になる菌をやっつけるのが仕事。治るのは、あくまで本人の持つ治癒力のおかげです。薬はそれを引き出す手伝いをしているだけ。
 確かに大人の場合、頭痛や生理痛で薬を常用していると効かなくなることもあります。でもそれは「体が弱くなった」ということではありません。あくまで特定の薬成分に体が慣れて、反応が鈍くなったということです。

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【薬の副作用が心配】
◆薬については、「副作用」がやはり一番心配です。

 薬にはそれぞれターゲット(菌や体内の炎症など)があります。その部分にだけ作用してくれればいいのですが、ときにはターゲット以外の部位にも作用したり、目的以外の反応を引き出すこともあります。これが「副作用」。「副作用のない薬はない」とよくいいますが、こうした反応が出るのは、ある程度は避けられません。
 大事なのは、その副作用がどのくらいの頻度で起こるのか、どの程度重いのかということです。
 たとえば抗菌剤は正常の腸内細菌まで殺すため、うんちがゆるくなることがあります。大人の女性の場合、腟内を清浄に保つよい菌が死んで、おりものがふえることもあります。これらは薬の使用がすめば元に戻りますし、命にかかわる症状というわけでもありません。一方で、まれだけど重大な副作用もあります。副作用=重大でこわいもの、と十把一からげに考えないことも大事です。
 いずれにしても、薬を用いることで得られる効果(ベネフィット)と副作用(リスク)を、天秤にかけて用いるのが大切です。心配なときは医師から納得いくまで説明を受けてください。

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【発疹は薬の副作用?】
◆薬を飲んだら発疹が出ました。これって副作用?

 「もらった薬を3日飲んだら発疹が出ました!」と病院にいらっしゃるお母さんもいます。よくあるのは、実は突発性発疹だったというケース。溶連菌感染症による発疹も少なくありません。薬の服用中に発疹が出た=副作用と思い込んでしまうお母さんも多いということです。
 むろん、なかには本当に薬による発疹(薬疹)ということもあります。でも、素人目には病気による発疹なのか薬によるものなのかは、なかなか判断できません。とにかく受診することが先決です。

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【薬の量を間違えた】
◆シロップの目盛りをまちがえ、2倍量飲ませてしまいました。

 一般に、赤ちゃんに処方される薬は2倍量飲んだとしても、大きな事故にはつながらないようにはなっていますので、あわてることはないでしょう。けれど、薬によっては心配なものもありますから、とにかく処方した医師に連絡をとってみてください。
 一方、ボトルに入っていた分をまちがえて全部飲んでしまったような場合は、すぐに水を飲ませて吐かせ、救急病院に行ってください。
 こうした事故が起きないよう、薬は子どもの手の届かないところに保存するのが大切です。冷蔵庫に入れたシロップを上の子がジュースと思って飲んでしまった、などのケースもありますから、冷蔵庫に入れるときは上の子に「お薬だからね」と言い聞かせ、なおかつ目に触れないところに保存しましょう。薬の瓶にアニメのキャラクターなど子どもの目を引くラベルを貼るのも禁物です。シロップにはこういう事故がつきものなので私はできるだけ粉薬を出すようにしています。

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【親の薬剤アレルギーは遺伝するか】
◆母親の私がピリン系にアレルギー・・・・・・。子どもにも出るのですか?

必ずアレルギー反応が出るとはかぎりません。たとえば親に牛乳アレルギーがある場合、アレルギーがでやすいという体質そのものはかなりの確率で赤ちゃんにも受け継がれます。けれど同じように牛乳に反応するかどうかはわかりません。アレルギー反応は環境なども含めた、さまざまな要因によって起こるからです。薬の成分についても同じことがいえます。
 ただ、親や本人にアレルギーのある場合は、必ず医師に伝えてください。医師もそれを踏まえて安全な薬を処方します。
 なを、ご心配の「ピリン系」は、解熱鎮痛剤などに用いられる成分ですね。これに対して「非ピリン系です」としている解熱鎮痛剤もあります。では、「アスピリン(商品名ではバイエルアスピリン、バファリンAなど)」はピリン系でしょうか?実は違うのです。「ピリン」と名がついているのでまぎらわしいのですが、アスピリンは非ピリン系で、ピリンとは構造もまったく違います。ピリン系では「スルピリン」が代表ですが、これは現在ではごく一部の市販薬にしか配合されていません。また、赤ちゃんに処方される解熱鎮痛剤には、ピリン系はありません。

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【授乳中の母親の風邪薬は】
◆母乳を与えています。かぜをひいたとき薬を飲んでも問題ない?

 かぜや下痢などで短期間服用するのでしたら、赤ちゃんへの影響はまず心配しなくていいでしょう。母乳中に移行した薬が赤ちゃんに影響するくらいの血中濃度になることはまずありません。ただ、なかにはほんの短期間でも授乳はやめたほうがいい薬もあります。ですから受診するときは必ず医師に「授乳中である」ことを伝えてください。赤ちゃんといっしょにかぜをひいたら、小児科でも薬の処方は可能です。ご自身の健康保険書を持ってきてください。

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