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かたおか小児科クリニック

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抗菌剤への疑問・不安

2008/08/06

◆熱があれば、ほとんどの場合、抗菌剤を処方されます。症状がよくならなければ引きつづき出されます。そんなに長く抗菌剤を飲んでも問題ないのでしょうか。
◆抗菌剤はどれくらいの期間、飲みつづけても大丈夫なのでしょうか。
◆「抗菌剤はふつうのかぜには効かない」と新聞にも出ていたのに、出すお医者さんと出さないお医者さんがいるので迷います。出されたら飲むべき?

お母さんたちの疑問はもっともだと思います。事実、抗菌剤はウィルスには効きません。ではなぜ抗菌剤が処方されるか。二次的な細菌感染を予防する目的だとか、見ただけでは細菌感染かウイルス感染かわからないので念のために投与するとか言われています。
 しかし「ウィルス感染症にかかっているとき抗菌剤を投与すれば、二次感染の予防になる」というエビデンス(データによる証明)は、現在のところありません。つまり、予防できるとはっきりわかっているわけではないのに投与されているのが実態なんですね。
 小児科医の学会では、こうした「念のため」「とりあえず」の処方はもうやめよう、という意見が強くなっています。
 なかでも問題になっているのはセフェム系第3世代の抗菌剤です。この系列の薬は、長く使っていると耐性のある菌が生まれてきやすいのです。熱があるから といって何でもかんでも抗菌剤を投与していると、本当に菌による病気になったとき、なかなか抗菌剤が効かないということになりかねません。
 また最近はペネム系をいう新しい系列の抗菌剤も登場しましたが、これも、それ以外の抗菌剤では効かない菌のために大事にとっておきたい薬です。
 たとえて言えば、ペニシリン系はライフル、セフェム系はマシンガン、ペネム系は最後の切り札ミサイルです。敵(菌)をやっつけるためには、相手に合った必要最小限の武器から用いるのが大切なんですね。
 もしあなたの主治医が「熱が出れば抗菌剤」なら、抗菌剤が本当に必要かどうか、聞いてください。医師には説明する責任があります。納得いかないような ら、病院をかえてもいいでしょう。服用の期間についても、医師は必要だから処方しているはずですので、同じように説明を求めてください。


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