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B型肝炎ワクチンについて

2010/10/29

B型肝炎は東南アジアに多くてキャリアと言われるウイルス保因者の血液や唾液から感染します。以前は輸血が主な感染ルートでしたが献血のチェック体制が 整って現在では輸血による感染はほとんどありません。

現在では母から子どもに感染する垂直感染と、性行為や喧嘩などの接触による水平感染が主となっています。父親など同居する家族からの水平感染も報告されています。

こどもの頃に感染するとウイルスが肝臓に住み着いて保因者となり肝硬変や肝がんの原因となることがあります。最近では欧米型のウイルスが持ち込まれておりこれは成人でも持続感染すると言われています。

 
日本では母親から赤ちゃんに感染するのを防ぐため保因者の母親のうち特に感染力の強い(e抗原陽性)人を対象にして垂直感染防止のプログラムが できています。赤ちゃんが産まれたらすぐに臍の緒の血液を調べてまだ感染していないことを確かめてγグロブリンを注射します。その後γグロブリンの効力が 落ちる前にワクチンの接種を行います。

B型肝炎は人から人に感染する病気ですから、このプログラムをすべての感染者に実施すればいずれはなくなるはずです。しかし現実にはB型肝炎の患者数は思ったほど減っていません。
アメリカでは保因者の母親からの垂直感染防止プログラムでは患者数を減らすことができないという調査結果をもとに赤ちゃん全員にワクチンを3回接種することになっています。

WHO(世界保健機構)ではB型肝炎ワクチンを赤ちゃん全員に接種すべきと勧奨しており、近隣の台湾や韓国や中国、イギリスをのぞく欧米各国などほとんどの国で定期接種に組み込まれています。

現在日本ではB型肝炎ワクチンは「任意接種」となっています。

しかしB型肝炎は母子感染だけでうつるわけではありません。また感染した場合の結果は重大です。

保育園などでまれに肝炎の小流行があります。けんかなどで血液を浴びたり、噛みつかれたりして感染することもあります。

成人では性行為による感染が問題になります。

これらの事情を考えるとすべての赤ちゃんにB型肝炎ワクチンの接種をお勧めします。

接種の年齢に上限はありませんので、どなたでも接種することができます。


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