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こんなときどうしましょ

熱がでたら
最近待合室でおでこに「ヒエピタ」などの冷却剤の湿布を貼っている子をよく見かけます。一目で、この子は熱があるんだなとわかって便利なのですが、解熱ということでは効果は疑問です。
子どもが熱を出すと、布団を掛けて、おでこには氷嚢、頭には氷枕、お母さんが枕元で手ぬぐいを絞っているという光景がふつうでした。熱に対する対処の日本的な原風景とでもいうのでしょうか。貼る冷却剤もこの発想からきているのでしょう。熱があるときはおでこを冷やすというのは悪くはありませんが、頚、鼡径部、脇の下などの動脈が走っているところに氷嚢を当てて冷やすほうがずっと効果的です。身体をしぼったタオルでふいてあげてもいいでしょう。湿らせた皮膚から水分が蒸発して熱を奪っていってくれるのです。
汗が出ると熱が下がるというので厚着をして温めるといいという人がいます。これはとんでもない誤解です。汗を出したから熱が下がるのではなくて、熱が下がる時に汗が出るようになるというだけです。でも熱のあがりかけは悪寒といって寒くてがたがた震えるときがあります。この時は温かくしてあげた方がいいです。熱が上がりきって手足が熱くなり、顔も赤くなったら涼しい格好にしてあげましょう。
熱さましは熱が出たからと言ってすぐに使う必要はありません。目安は38.5度以上、それも本人がぐずったり、眠れなかったり、食欲が落ちてのまなくなったというようなときに使うのがいいでしょう。子どもは概して熱には強いので高熱でも元気にしているようなら無理に熱を下げる必要はありません。
熱冷ましには坐薬と飲み薬がありますがこれはどちらでもいいと思います。ぐずって薬を飲んでくれない小さな子には坐薬の方が使いやすいですし、年長児では坐薬を入れられるのに抵抗感が出てきます。
坐薬は「強い薬」と思っている方がいますが、中身は飲み薬と同じ物です。効いてくる時間が坐薬の方が少しはやいという違いがあるだけです。

2003/5/5 4:44 更新


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