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こんなときどうしましょ

発疹が出た!
 発疹はいろんな時に出ます。水ぼうそう、溶連菌感染症、麻疹、など発疹が出ることが知れ渡っている細菌やウイルスによる病気はたくさんあります。その一方で、蕁麻疹やアトピ―性皮膚炎などアレルギーが元になって出る発疹もあります。
どうも「アレルギー」という言葉はインパクトが強いようで、発疹がでたといってつれてこられると「いったい何が(アレルギーの)原因でしょうか」とせっかちに聞いてこられます。薬でしょうか、食べ物でしょうかと。
薬による発疹は薬疹として有名で、抗菌剤などを処方しますと薬局で「発疹が出ることがあります」という説明を受けます。どうもその印象が強いのか抗菌剤をのんでいる最中に発疹が出ると「薬アレルギーだ!」ということになります。
よくあるのが突発性発疹の時の「薬疹」です。突発性発疹はウイルスによる病気で抗菌剤が有効ではありませんが「原因不明の発熱」として病初期に抗菌剤が処方されることがあります。3日ほど薬を飲ませていたら熱は下がったけれど体中に赤いぶつぶつができた。薬の副作用じゃないですかという問い合わせが時々あります。もちろんこの発疹が突発性発疹の「発疹」なのですけど。
のどが痛くて熱がある、調べてみたら溶連菌感染症だったので抗菌剤が処方された。ところが薬を飲み始めたら首からお腹にかけて皮膚が赤くなり痒くなってきた。ペニシリンアレルギーではないですか、という話もあります。これは溶連菌が出す毒素による発疹で猩紅熱と言われるものですが、最初に「溶連菌による発疹が出るかもしれません」という説明を受けていないと薬が原因かも、と思ってしまいます。
 こうした誤解はこれからどうなる可能性があるのか最初に詳しく説明されていないことによるのですが、発疹=アレルギーという思いこみも大きいと思われます。薬による「薬疹」は時として恐ろしい症状を呈しますが、余計な心配をおかけしないためにはより詳しく的確な説明を心がけないといけないなと考えています。
 蕁麻疹も食べ物によるものが有名ですが実際にある食べ物との因果関係が証明されるケースは希です。食べ物と結びつく蕁麻疹は全体の1割もないくらいだろうと思います。やたら食べ物との関係を詮索する必要はありませんが、食べ物との因果関係のはっきりわかる蕁麻疹のなかではそばやピーナッツ、タマゴなどは危険な症状を呈することがありますので注意が必要です。

2003/5/3 17:25 更新


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