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こんなときどうしましょポリオが不活化ワクチンに?先日読売新聞に「ポリオワクチンが来年春から不活化ワクチンに」という記事が掲載されました。現在我が国で使われているポリオワクチンは生ワクチンで、生きたポリオウイルスを弱毒化して毒性をなくしたものです。毒性をなくしたといっても、突然変異で毒性を取り戻すこともありこうしたウイルスが接種した人や免疫のない家族(親)に感染して麻痺を起こすことがあります。この確率は約400万接種に1度という極めて低いものですが、それでもワクチンによる麻痺という不幸は起こりえる事態なのです。一方不活化ワクチンは免疫の持続力に問題があるもののワクチン関連の麻痺は起こさないので生ワクチンより安全なワクチンといわれています。欧米諸国ではほとんどが不活化ワクチンを採用しています。不活化ワクチンへの転換はこれからの流れということが言えます。今回の報道の元ネタをたどっていきますと厚生労働相のインタビューに行き着きます。この中で厚生労働相は審議会などに諮って将来的には不活化ワクチンに代えていきたいとは言ってはいますが、具体的なタイムテーブルが示されたわけではありません。不活化ワクチンの治験の結果をまとめ審議会を経てと言うことになるとまだ数年先の話になります。もしその数年間不活化ワクチン待ってポリオワクチンを接種しない年代ができたら、まだ野生のポリオウイルスが根絶されていない現状ではウイルスが上陸したらたちまち拡がってしまいます。 現状ではきちんとワクチンを接種することをお勧めしたいと思います。 2003/5/5 5:12 更新 |
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