2012/05/18
昨日取材を受けた「めざましテレビ」を録画で見る。
正直言ってがっかりだった。
そもそも、このニュースのキモは、
民主党の予防接種法小委員会が予防接種法を改正してヒブ、肺炎球菌、子宮頸がんワクチンの3ワクチンを定期接種とする方針をかためて厚生労働審議会予防接種部会に提言することを決めた。
この3ワクチンは「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」で公費助成を行っているがその延長期限が来年3月で切れる。公費助成を続けるためにはこれ以上特例事業の延長は難しいので、予防接種法を改正してこれら3ワクチンを定期接種にしなくてはいけない。
水痘、おたふく、B型肝炎、成人用肺炎球菌などは早期に定期接種化を目指すべき、B型肝炎はエビデンスを集めて検討する、ロタウイルスは評価検討の上定期接種化を目指すというもので今回の改正案では任意接種のままである。
ということで、3ワクチンが定期接種化される、よかったよかったということではない。
3ワクチンの定期接種化だけでは、公費助成の現状維持ということでしかない。
むしろ「ワクチン接種緊急推進事業」では国が事業費の半分を負担し、残りを自治体が負担するという仕組みが、「定期接種化」されると国の負担は2割程度に減り自治体の負担が大きくなる。
国にとっては負担軽減となるのである。
今でも東京都の一部など3ワクチンで自己負担金をとる自治体がある。これが財政的な裏付けなく定期接種化されたら、定期接種でも自己負担金をとるという状況になりかねない。
この民主党の方針だと予防接種の世界標準に向けての大きな一歩などととても言えるような代物ではないのである。
そのあたりを取材ではさんざん申し上げたのだが、あまり関係のないところをつなぎ合わせて終わってしまっていた。
こんなものだろうとは思ったが、それにしても残念。
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