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かたおか小児科クリニック

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インフルエンザワクチンの有効性

2008/10/30

 インフルエンザワクチンの接種が始まって10日が経過。出足としては例年よりやや悪いという印象。

まだ流行が始まらず、「インフルエンザ脳症」などインパクトのある報道がないということもあるだろうが、小児に対するインフルエンザワクチンの有効性が低いという問題もあるのだろう。

 インフルエンザワクチンの有効性を評価するのにはいくつかの方法がある。いちばんポピュラーなやり方は、あらかじめ背景の似た人たちをペアにしてワクチンを接種する人と接種しない人に分けて登録して、シーズン中の感染状況を報告してもらう方法である。

厚生労働省の研究班の報告では1歳から6歳のワクチンの有効率は20−30%だという。これはどういうことかというと、ワクチンを接種した人たちはワクチンを接種しなかった人たにに比べて発病する人が20−30%少なかったということである。

ワクチンの有効率が30%とは具体的にどういう意味なのかというと、

 

ワクチンを接種した人100人、接種しなかった人100人の集団があるとする。接種しなかった人の集団では20人がインフルエンザに罹ったとしたら、接種した人の集団では14人が罹るということである。

 

さて、この100人中6人の差が大きいと見るか、小さいと見るかである。

現状では科学的に有効であるとされるインフルエンザの予防法の一番手はワクチンである。他にはないと言ってもいい。他人と同じ空気を吸わないということはできない。抗ウイルス薬の予防内服という手もあるが、コストとリスク、供給量などの問題から考えても現実的ではない。

そうなれば、少しでも感染のリスクを減らしたいと考えるのであればワクチンを接種する意味はあるだろう。

効果と対比して考えるべき問題に副作用がある。現在使われているインフルエンザワクチンでは局所の発赤・腫脹・痛み、倦怠感、などがあるが、全身的な重い副作用はほとんどない。発熱、ショック、などの副作用が報告されているが医学的に因果関係が証明されるものは少なく、ほとんどが偶発的に発症した「紛れ込み」と考えられる。


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