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かたおか小児科クリニック

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長く続く咳

2008/12/27

 年も押し詰まって診察室の間を走る。「先生と 呼ばれて走る パシリかな」(小田嶋 隆)。

「長く続く咳」という患者さんが何人か続く。咳ぐらいいいではないかという感覚では対応できない深刻な症状のようだ。

 「咳喘息」(cough variant asthma)という便利な診断名がある。長く続く咳で「喘鳴」がなく喘息の症状ではないのだが喘息の薬が効いて咳が止まる一群の病態。なかなか止まらない咳を見たらとりあえず「咳喘息」と診断して喘息治療薬を出しておくというドクターは多いのではないか。

その流れか、咳というと喘息かどうかの吟味もなく咳止めの隠し味にテオドールとか、朝まで効いている「咳止めシール」とかが結構乱用されている。お薬手帳を見て、喘息と言われましたかと聞くと「喘息っぽい」と言われたのはいい方で「咳止め」としか説明されていないことが多い。

で、長い咳はみなそれで止まるのかというと、そう言うわけでもない。「喘息」でなければ、喘息の薬は効かない。

喘息薬が効かない長く続く咳にどう対処するか。これがなかなかの難題である。小児科では麻薬系の咳止めは使わないことが多いし、診断もつかないで咳反射だけを押さえてしまうのは危険である。

血液検査である程度わかるのは百日咳とかマイコプラズマ肺炎だが、そういうチェックはとうに済んでいる。

今日の患者さんでは、原因がわかったかなと思ったケースは一人だけ。よその病院で出されている心臓病の薬が2ヶ月ほど前からACE阻害剤に変わったことがわかった。どうもその頃かららしい。ACE阻害剤で咳が出ることは有名。これは「主治医に相談しましょう」で当院としては解決か。

咳止めをとっかえひっかえ、喘息の薬を出してみても全くよくならないケース。あと、考えられるのは、胃食道逆流とか慢性副鼻腔炎+気管支炎というところ。寝るときの体位の変更とマクロライド少量+ムコダインを試してみる。はたして効果があるかどうか。

喘息薬でよくなったのでホンマかいなと思っていたら、案の定また咳が出てきたというケーズ。これはもう少し今の薬で様子見ましょうということにする。たぶん「咳喘息」なんかじゃないのだろう。

 

 


“長く続く咳” への1件のコメント

  1. としのり より:

    私は、現在47歳。
    33歳のときから、一日に何度か激しく咳き込む(尋常では無いくらい強いときもあり)事が起こるようになりました。咳き込まない日もありました。
    県立中央病院で、あらゆる検査をしましたが、よくわからず、
    「ふ~っと思いっきり息を吐く時、聴診器でかすかに音がするようだ。」ということで「喘息」の診断となりました。
    それ以来、5年間、毎日喘息日記をつけ、全然利かない薬を飲み続けていました。
     4年目に、これは喘息じゃ無いのではないかと、済世会病院にいきました。しかしあらゆる検査の結果また「喘息」と診断。
     次の年、済世会病院で担当医が若い先生に変ったので、「長い間治療を続けていますが、全然利かないしす。」と訴えました。
    すると先生曰く「ストレスセキじゃないかな。」「デパス出しますので、一日一錠飲んでください。」
     その後2日目以降、5年間続いたセキから開放されました。
    自分でもきつねに摘ままれたような感じでした。今は、年に何度か咳き込んだときに一錠飲めば、たいていすぐ収まります。

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