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予防接種事業者説明会

2009/03/05

 高津市民館で川崎市の予防接種事業者説明会に出席する。乳幼児健診研修会と同じでこれに出ないと次年度の予防接種事業を受託できない。

あと一回川崎の医師会館でも行われるのだが、どう考えてもこちらに出る方が便利。市の北部の方が医療機関は多いのでこちらの出席者数の方が多いだろう。

 この説明会は川崎市と川崎市医師会の共催である。なんと言っても市の予防接種事業は医師会がほぼ全面的に請け負っているわけだから、それも当然。

医師会の公衆衛生担当理事のM先生が予防接種の現況と問題点について講演。簡潔にまとめられていてわかりやすかったのだが、麻しんの流行の現況についての話には一言ある。

麻しんの患者数、今年度は前年度の約半分の200人台となったということで月別の患者発生棒グラフを提示された。4月5月にピークがあるのはわかる。でも、もっと大事なグラフ、そう、年齢別発症数のグラフはどうしたの、どうして出さないの、と言いたい。何か遠慮でもあるのだろうか。

川崎市の麻しん発症者を年齢別にグラフにすると8歳9歳のところに大きなピークがある。このピークはこの年代が麻しんにかかりやすい年齢であることを示している。そしてそれは平成12年度に川崎市で採用されていた某社の麻しんワクチンとの関係が強く示唆されている。

MRワクチン3期4期の前倒し接種の議論はこの年代の救済が最大の目標なのだが、今回の事業説明会では全く触れられなかった。ということは、市の方では「前倒し接種は全額公費負担ではなく、ワクチンの薬液代だけを市が負担し医療機関に支払う接種料は患者負担」とした原案を棚上げしているということだろう。

先般の予防接種委員会でも医師会側の「全額公費負担」の意見と折り合いがつかず持ち越しとなっている。今後の展開がどうなるのかを見守りたいし、交渉中の案件については公表できない部分もあるだろう。

しかし、8歳9歳に麻しん感受性者の大きな集団があるという事実はこのような機会にしっかりと示しておくべきだ。それをしなくて、このまま「接種料金は患者負担」の案を通されたてしまったらどうするつもりだろうか。

 

 

 


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