2009/03/18
保健所と保育園のダブル検診の日。
どういうわけか午前中の診療が押して1時までかかる。
最後の患者さんの鼻汁吸引が終わるのを見届けてから保健所にすっ飛んでいく。
いくら時間が無くても昼飯は何としてでもとる!と言うのが生き方なので保健所前の「むつみ屋」で「黒味噌ラーメン味たまトッピング」をかき込んでから出動する。
少々くどい。やはりここは塩系の方がよろしい。
保健所の検診は3時20分までかかって、そのまま保育園へ。
保育園ではベータ刺激薬の貼付剤を貼り付けた子どもが目立つ。最近では元祖ホ○ナリ○テープ以外に後発品がぞろぞろ販売されている。各方面で多用されているようだ。
2歳児で胸と背中に合計3枚貼っている子がいた。用法用量では3才以下は0.5mg1日1枚なのだが。
副作用で心臓がどきどきしたり不整脈が出ている様子ではなかったので3枚は多いよとお伝えするだけにとどめたが、果たしてその子が喘息なのかどうか。
ときどきクリニックでも「咳止めのシールを処方して欲しい」と言われることがある。多くのお母さんたちにとってこのホ○ナリ○テープは「咳止めシール」なのである。
このシールの適応症に「気管支炎」が入っているので喘息以外の咳ぜいぜいに使っていけないと言うわけではないのだが、薬のメカニズムから考えて「咳止め」というのはちょっとおかしい。
喘息発作は気管支の平滑筋が収縮して空気の通り道が狭くなりぜーぜーすることからおきる。ホ○ナリ○テープの成分であるベータ2受容体刺激剤は皮膚から吸収されて、収縮した気管支の平滑筋に作用してその緊張を緩める作用がある。これを「気管支拡張作用」というわけだが、作用からわかるように、収縮していない正常の気管支を拡げる作用はない。収縮した平滑筋を弛めて気管支を拡げる、または収縮をおさえて喘息発作を予防する作用が期待されるだけである。
と言うわけでホ○ナリ○テープは「咳止め」ではないのである。
「貼る」という手軽さから重宝されるむきもあるようだが、貼ってから有効血中濃度に達するまでに4時間ほどかかるので今起きているぜいぜいには効果がない。これはあくまで喘息発作を「予防」するための薬ということである。
(その2に続く)
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