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かたおか小児科クリニック

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小児用肺炎球菌ワクチン承認

2009/09/02

 8月31日政権交代の大騒ぎの中、ひっそりと新しいワクチンが厚労省薬事・食品衛生委員会で承認された。一つは肺炎球菌を予防する小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)。もう一つが子宮頚癌を予防するヒトパピローマウイルスワクチン(サーバリックス)。

 肺炎球菌ワクチンはすでに2歳以上で使用する成人用の23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)が国内でも使われているが、これは小児の肺炎球菌による重症感染症を予防できない。免疫を作る仕組みが全く違うので混同してはいけない。医者でも違いがわかっていない人がかなりいるようだ。

当院では乳幼児で高熱がでたときに指パッチンで血液検査をしているが、これは肺炎球菌やヒブ菌による菌血症の恐れがないかどうかのチェックという意味もある。小児科医にとって発熱で診ていた子どもが菌血症から髄膜炎や肺炎に進展するというのは最悪のシナリオのひとつである。

小児の細菌性髄膜炎の60%がヒブ菌によるもの、20%が肺炎球菌によるものと言われている。ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンを全員が接種すれば、細菌性髄膜炎の80%近くが予防できる計算である。実際、これらのワクチンを定期接種している欧米では細菌性髄膜炎は激減している。

発売は年内とも来年春とも言われているが、いずれにしても近い。DPTとヒブワクチンとの同時接種がお勧めだが、ヒブワクチンの供給が問題だ。

肺炎球菌ワクチンの供給は大丈夫のようなので、ヒブワクチンは後からという人も出てくるだろう。

当面は任意接種なので接種料金は自己負担だが、今のところ価格は未定。ただし、ヒブより高くなるのは確実。


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