2009/12/08
高熱のため血液検査をしてみたら、白血球が多くて細菌感染が疑われるような場合には、抗菌薬を使う前に血液の培養検査をするようにしている。
乳幼児でこういう方式でやっていくと9−10回に1回ぐらいの割合で血液から細菌が培養される。一番多いのが肺炎球菌。ついでヒブ菌。こういう状態を菌血症という。
インフルエンザの流行に隠れて最近この菌血症を疑う症例が多い。
たいていの場合、検査センターから「細菌陽性」の報告があった頃には抗菌薬で熱はすっきり下がって元気になっている。うちでは抗菌薬は点滴静注ではなく飲み薬でやっているがこれで今のところ危なかったケースはない。
飲み薬だけでは解熱せず、翌日点滴の抗菌薬を追加することもたまにある。こういう時はちょっと冷やっとする。開業小児科ではやり過ぎ、持ちすぎではなかろうかと思うこともある。しかし、入院せずに治療できるということは乳幼児の患者にとっては大きいことである。
風邪かと思っても髄膜炎や肺炎が心配で「念のために」という言い訳で、熱があったら抗菌薬という診療スタイルはまだまだ多い。
しかし発熱患者で抗菌薬が必要なケースはごく一部。このごく一部に的確な抗菌薬を使うべきだろう。
そのための検査である。
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