2010/06/01
火曜日午前中の診療は医学生の見学実習があるためにどうしても遅れがちになる。患者さんにはご迷惑をおかけしているのは承知している。「黙って後ろで見ていなさい」なら遅れはしないのだろうが、せっかく遠くから来ているのだ。説明や解説をしないと申し訳ないという気持ちがはたらくのである。
それともう一つは、学生教育として、「正しい選択」を見せないといけないということである。いつも私の選んでいる方針は正しいと言うつもりはない。
たとえば、耳の所見のとり方。耳の痛みがあったり発熱の原因で中耳炎が疑われる時は必ず耳を見なくてはいけない。それ以外でも、風邪症状があれば耳は見るべきでありましょう。
でも、耳垢で何も見えないというケースはしょっちゅうある。
こういう時は、耳垢で見えないけどまあ大丈夫でしょうとお茶を濁したり、耳鼻科で耳垢を取ってもらって鼓膜をよく見てもらってね、と言ったりしてきた。時には耳垢取りに専念することもあったがそういう事は多くない。
でもこういう時の「正解」は「その場で耳垢を取って鼓膜をきちんと見る」である。少なくとも教育としてはそうでなくてはいけない。
そういうつもりで耳垢ピンセットを買い増ししたり拡大鏡を手配したりしているわけだが、いざ耳垢取りをはじめると手際が悪いせいもあるが時間がかかる。
ますます診療に時間がかかって渋滞が生じる。
そんなわけで、学生実習の日は待ち時間が長くなるという風評もあるようだ。風評というより事実なのだが、予約枠の人数を減らすなどして待ち時間が長くならないような対策を講じたいと思う。
で、耳垢に戻るけど、大きな耳垢がごそっとまとめて取れたときの快感はほんとクセになる。
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