2010/11/22
先週の感染症情報で感染性胃腸炎が急増と書いたが、今週のまとめではさらに倍増。
神奈川県内では11月15日に「ノロウイルス食中毒警戒情報」が発令された。
こういう書き方をすると感染性胃腸炎=ノロウイルスと判断されてしまうのだが、実際に感染性胃腸炎の患者さんからノロウイルスが簡易検査やPCR法でどのくらいの割合で検出されているのかというデータがない。
この時期の嘔吐下痢症はノロウイルスだと言っておけばまあ間違いないだろう、ということか。
実際にはロタウイルスやアデノウイルスもあるはずで、どうも嘔吐・下痢=ノロという図式には違和感がある。
それに、胃腸炎かと思ったら実は虫垂炎だったというようなことも時にあり、こういう流行時期には余計に注意が必要。
今流行っているノロウイルスによるとされる感染性胃腸炎は嘔吐が長くて半日、下痢もないかあっても3-4日という軽症例がほとんど。
治療も整腸剤を処方してOS-1等の経口補水液を呑んでもらうくらい。
点滴が必要になるのは低血糖を合併したりした場合くらいで経口補水液で間に合わないようなケースは滅多にない。
「吐き気止めの坐薬」もよく救急などで処方されるが、その効果には疑問がある。
坐薬を使わなくてもほとんどの場合数時間で嘔吐は止まる。
当院では「吐き気止めの坐薬」を感染性胃腸炎に使わなくなって久しいが、それで困ったことはない。
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