2010/12/07
久しぶりの患者さんが顔を出した。患者さんと言ってもお母さんだけ。その弟を連れてきていた。
住所を見ると遠くに引っ越されていて、どうしたのだろうと思った。
上の子のことではなく、この子のことで相談があるという。
急に熱が出て目が真っ赤になって病院を受診した。検査をしたら白血球も多くてCRPも強陽性で入院になった。入院の日から首のリンパ節が腫れて痛くて首を動かせないほどだったという。
え、それって川崎病だったと言うことでしょ、と聞くと、
それがそうは言えないというのが主治医の意見。
抗生剤を点滴で入れて経過を見ることになり、熱は5日目に下がった。
川崎病は熱が5日以上続くのであてはまらない。抗生剤で熱も下がり、炎症反応も落ちてきたので川崎病らしくないと言われたとのこと。
結果的に熱が5日間だっただけで、その論法なら5病日以前の川崎病は診断できない。
それに、年長児で首が動かせないほど痛い頚部リンパ節炎で溶連菌感染じゃなければ川崎病以外考えられない。溶連菌のリンパ節炎なら抗菌薬一日で熱はすとんと下がるはず。
その上目が真っ赤。何を迷うのだろうか。
解熱してすぐに退院になってから発疹が出てきたので外来を受診した。
溶連菌の迅速検査をしたが陰性(当たり前だ)。
で、リンパ節の小さな腫れが残っているので内服の抗菌薬を続けることになっているらしい。
さすがに入院中に心臓の超音波検査はしているらしい。何も言われなかったので異常はなかったと思われるが、すぐにうちでも超音波検査をしてみた。
心臓には異常はない。
結論としては川崎病以外に考えられない・・・
4症状の不全型(手指の落屑はない。口唇の発赤は入院中休みの日に真っ赤になったが1日で引いたらしい。この症状をとって5症状の典型例としてもいいくらい。)
有熱期間は5日。心臓後遺症はなし。ということになる。
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