2011/11/04
先月からマイコプラズマ感染症が増えている。マスコミでも取り上げられているようで、咳や熱があるとマイコプラズマではないかという患者さんやお問い合わせが多数ある。
最初のうちはあまり意識していなかったのだ、それらしき患者さんも急増したのできちんと調べてみることにした。
マイコプラズマ感染症の診断は案外難しい。
年長児で長引く咳と熱があってレントゲンを撮ればすりガラス状の肺炎像というのが典型的なケース。
当院ではレントゲンは撮らないので経過からの判断となる。
白血球、CRPの迅速検査ではほぼ正常か軽度CRP上昇だけなのでウイルス感染との区別がつきにくい。
イムノカード・マイコプラズマというIgM抗体を迅速検査で見るシステムがあるが感度、特異度ともに今ひとつのようで診断の決め手にはなりにくいというのが大方の意見である。
PCR法による診断は正確だが普通の診療所から簡単に検体を受けてもらえるわけではない。
となると、診療所レベルでマイコプラズマかどうかの判断はペア血清によるしかないのではないか。
血液の採取時期は2週間くらいあけるので、診断結果が治療に反省される事はない。
しかし、最終的にどう判断するのか。治療は正解だったのか。後からの検証ではあるが、今後の診療には役立つのではないか。
と言うことで、ここしばらくはマイコプラズマ感染症を疑ったら2回採血をして抗体の上昇を確認しようと思っている。
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