2012/04/17
川崎市感染症危機管理研修会でこの4月から川崎市衛生研究所所長に着任された前国立感染症研究所感染症情報センター長の岡部信彦先生の講演があった。演題は「麻しん排除にむけて」。
岡部先生が川崎市に来られるというのは、ついこのあいだ聞いたばかりだった。
これまでも講演会や予防接種関係の委員会などでいろいろお世話になっていた先生なので、医師会で公衆衛生関係を担当している身としてはとても心強い。
2012年の麻しん排除計画の現状を話していただいた。
このまま、進んで排除を宣言できるかどうか。
これまで麻しんの輸出大国とされてきた日本だが、今では日本国内で流行していたウイルス株はみられず、ほぼすべてが海外の輸入株になっているという。
タンポポやメダカなどと同じく麻しんウイルスも今や在来種は絶滅の危機にひんしているらしい。在来麻しんウイルススをワシントン条約で保護したいくらいだ、という感想を持ってしまった。
と、それはさておき、着実に麻しん排除の計画は進んでいるという。
これからの問題はワクチン接種率をさらに向上させること。
麻しんの診断をきちんと検査診断する。
それによって、本当の麻しんをきちんと把握することということになる。
当院では2007年2月に診断した中学生以降麻しんの症例はない。
この子が医者として遭遇した最後の麻しんであってほしいものだ。
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