2012/12/14
インフルエンザがかなり出てきている。いよいよ季節突入の感がある。一方、季節外れに手足口病があちこちで局所的に流行している。
手足口病は「夏かぜ」の代表選手で、感染症発生動向調査の年間グラフでは毎年山の高低はあるものの6-7月にピークを描く単峰性の流行になっている。
今年は11月過ぎても保育園や幼稚園で小流行を繰り返している。
ほとんどが高熱も出さず、ひどい口内炎で食べられなくなると言うようなケースもない。なので、普通に登園させている。
この手足口病でいつも問題になるのは「登園許可証」。
手足口病は学校保健安全法で「出席停止」とすべき九つの感染症の中には入らず、「その他」という所にはいっている。「その他」には、溶連菌感染症や感染性胃腸炎、マイコプラズマ感染症なども入っている。「その他」の疾患は学校長(園長)が校医の助言を得て「出席停止」とすることができる、と書いてある。
それで、手足口病を「出席停止」として、再登園してくるときは「登園許可証」を持ってくるように言う私立の幼稚園や保育園がある。
医療機関では手足口病を「出席停止」とする認識はないし、川崎市医師会の出した「感染症における登園登校のめやす」の中にも手足口病の病名はない。
何故入れていないのかというと、手足口病はウイルスの排泄期間が長く、発疹が消えた後も2週から4週間近く感染力がある。なので、いつ「感染のおそれがなくなった」のか診断できない。
発疹や口内炎がなおっても、うつるかといえば、うつる。
かといって、手足口病は一律4週間出席停止というわけにも行かないだろう。
ということで、手足口病を「出席停止」にしても感染拡大を防ぐ実効性がない。
そのあたりをご理解いただけない園と医療機関で時々悶着を起こす。
幼稚園なのでは一番問題なのは「皆勤賞」らしい。「出席停止」だと欠席にならないので、皆勤賞の資格は続く。なので、マイコプラズマ感染症やノロウイルスなども「出席停止」にしたい気持ちがあるらしい。
手足口病を出席停止にするのは違法ではないのでかまわないが、いつから登園するかは親の自己申告ということにしてもらわないと、これからも「登園許可書」を書け、書かないの悶着が起きることになる。
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