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かたおか小児科クリニック

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生後1ヶ月のRSウイルス感染症

2013/02/01

 RSウイルス感染症なんて、1歳以上ならただの風邪。そんなに心配することはありません。

 インフルエンザとRSの両方を検査できるキットでRSが陽性に出たときはまずそういう話をする。

熱が長く続いたり、肺炎や中耳炎をおこしたりすることがあり、ちょっときつい風邪といった方がいい場合もあるが、おおむね命の心配をすることはない。

ところが3ヶ月以下、特に1ヶ月以下の新生児がかかると、細気管支炎から無呼吸を起こすことがあって人工呼吸器のお世話になるケースもある。下手をすれば命に関わる。

なので、小児科医にとって小さい赤ちゃんのRSウイルス感染症は地雷のようなものである。ただ、地雷と言ってもほとんどは不発弾。検査さえしなければ余計な心配もしないでちょっとした風邪で終わっていただろうというケースが多い。

今週、立て続けに1ヶ月のRSウイルス感染症の赤ちゃんを2人みた。

一人は低出生体重児だが36週で産まれていてシナジス(RSウイルスに対する抗体の注射薬。ワクチンのようなものだが、自分の免疫ができないので1ヶ月毎に注射が必要。非常に高価な薬)を健康保険で注射する対象にならないと言う説明をうけて退院してきた。

つまり、RSウイルスは怖いという話を聞いていて、予防の薬は使えなくて、かかってしまったら再入院と言われていたらしい。

苦しそうな咳をすると言うことで受診されたが、調べてみたらRSウイルス陽性。

咳をしていないときは、すやすやと眠っている。酸素飽和度も100%なんて値が出る。

それでも、心配は尽きない。症状は始まったばかりでこれからどう進行するかわからないからだ。

結局この赤ちゃんはそれまで入院していたNICUに戻ってもらった。

もう一人は、兄弟がいてみな咳鼻水の風邪症状。うつってしまったらしいということで来た1ヶ月前の赤ちゃん。

聴診すると、軽い喘鳴がある。息を吸うときに胸がへこむ陥没呼吸もある。

酸素飽和度は96%。それほど苦しそうな様子はない。

経験的に言うと、これくらいなら大丈夫。

ただ、前日のケースも頭に引っかかっていて、ちょっと弱気になって大学病院に打診してみた。受け入れできると言うことだったので、経過観察で入院してもらうことにした。

なかなか、腰が定まらない。

やっぱり、小さい赤ちゃんを丸腰でみるのは怖いのである。


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