2013/06/14
6月14日に厚労省で開かれたワクチン副反応検討部会でHPVワクチンの積極的勧奨を差し控えるとの方針が決まりその旨通達がありました。
HPVワクチン接種後に原因不明の強い痛みが接種場所とは関係なくおきて、日常生活にも支障が起きる状態となる複合型局所疼痛症候群(CRPS)と考えられる健康被害が生じているとの報告があるためです。
CRPSは注射や採血、骨折などのケガの痛み刺激によって誘発されます。
発症は若い女性に多いとされています。
詳しくは5月19日の記事を参照してください。
今回の副反応検討部会には疑い例を含めて未回復の8例のCRPSが報告されたようです。
仮にこれがすべてワクチン接種に関連したCRPSだとしても約100万例に1例ということになります。
日本産婦人科学会の見解では我が国では毎年15000人が子宮頸がんを発症し、3500人が命を落としているとしています。
HPVワクチンが子宮頸がんそのものを減らすというデータはまだ出ていませんが、前がん状態を減らすことは明らかで、論理的に考えて子宮頸がんを減らす効果は大きいと考えられます。
この、ワクチン接種によるリスクとメリットを天秤にかけて接種を検討するというのがよいと考えます。
当院では、HPVワクチン接種を希望される方にはこれまで通り接種をすすめていきたいと考えています。
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