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かたおか小児科クリニック

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外来小児科学会@福岡

2013/09/01

 金曜日午後から休診させて頂いて福岡での外来小児科学会年次集会に参加してきた。

 今回は、とくに発表もなく、プレッシャーのない学会だった。

VPDを知って子どもを守ろうの会のブースをベースキャンプに、途中でエスケープすることもなく最後までしっかり会場に残ってお勉強してきた。

 

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一応、アリバイ写真を載せておく。

今日は、朝から大ホールで3時間45分ぶっ通しの「西間三馨の喘息白熱討論会」というシンポジウムがある。今学会の目玉企画だろう。

西間先生の事前抄録を引用する。

 

小児喘息の治療管理はこの10~15年で大きく変化し、発作入院や喘息死の減少も顕著である。今や喘息の治療の場は専門病院→一般病院→開業医→患者(家族)となりつつある。
 これに寄与した要因は、
①吸入ステロイド薬(ICS)やロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)等の長期管理薬の多用、
②早期治療介入、
③夜間救急体制の整備、
④定期的な治療管理ガイドライン(GL)の改訂と普及、
⑤開業医の能力アップ、
⑥物理的環境改善、等々、多くのことが考えられる。
 いずれ一つが欠けても隔世の感がある現在の状況までは至らなかったとみられる一方で、以下の課題も表出しつつある。
①推奨されるICSの使用量は果たして長期投与して安全なのか、間欠投与や on demand の投与法はどうなのか、LTRAは安全であるが故に汎用されているがこのままでよいのか、ICS/LABA の合剤の位置付けは、そしてLABAの量は、
②早期治療介入は自然歴を変えているのか、気道感染も深く関わるヘテロな乳幼児の喘鳴に画一的に喘息の治療を行なうことの長期的効果と功罪はどうなのか、
③喘息の専門医のいない夜間救急受診の患者のその後の継続治療システムはどう作っていくのか、
④GLに準拠すると over treatment にならないか、逆にGLを理解せず従来の対症療法に終始している医師にどうアプローチすればよいか、最も数の多い間欠型や軽症持続型喘息に対する治療管理の記述が絶対的に不足しているのではないか、
⑤病院勤務医の相対的な力量不足との調整、病と診の相互乗入れや共同作業が必要ではないか、
⑥室内ペット抗原の増加への対応はどうするか、抗原除去・回避への適確で簡便な指導法はないか、
⑦その他、社会心理的な面への配慮が軽視されていないか、内科への移行の問題が放置されたままではないか、AR・AD・FAなどの合併例の総合的治療はどうするか、など。
 このように、発作入院や喘息死の多発などの荒れた時代から、一見、落ち着いたように見える今も、根にある解決すべき問題は多い。本シンポジウムでは立場や意見が異なる練達の小児科医から、いわば360度の角度から、中心点の「あるべき喘息の治療管理」に向けた歯に衣を着せぬ忌憚ない議論をしたい。フロアの会員諸氏諸嬢も積極的に議論に加わっていただき“白熱”したメモリアルなシンポジウムになることを期待している。(改行は引用者)
 
ここに、開業小児科から植村先生、西村先生、深沢先生が絡んで、白熱の討論会となる予定だったが、少し皆さん紳士的すぎて白熱という所までは行かなかった。
次回に持ち越しとか。
植村先生のRSウイルスとの関連、西村先生の「鼻性喘鳴」の話、とても興味深かった。深沢先生は間欠的治療の提案。
2歳以下の「喘息」というのは実はほとんどがウイルス感染。乳児喘息の定義の問題などガイドラインの問題もガイドライン委員長からいろいろ説明があったが、ここらで白熱してほしかったな。

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