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かたおか小児科クリニック

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カポジ水痘様発疹症

2013/09/13

 名前だけ聞くとなんかすごい皮膚病に聞こえる発疹症がある。

 アトピー性皮膚炎などの湿疹で免疫力の低下した皮膚に単純ヘルペスウイルスが感染すると水疱やかさぶたを作って水ぼうそうのように見える。水ぼうそうというよりとびひと言った方が近いかも知れない。

他院でとびひと診断されて抗菌薬の塗り薬や飲み薬を処方されているが、ちっとも良くならない。見た目が派手なので心配ということで拝見することが時々ある。

本態はヘルペスウイルス感染症の重症型なので、ヘルペスの治療をすればよい。

ひどい時は内服の抗ウイルス薬(アシクロビル)を使うのだが、先日このアシクロビルが保険者から査定されて返ってきた。減額調整と言って、査定された院外処方の薬剤費は処方した医療機関が全額弁済する仕組みになっている。

コンピュータで病名と処方を付き合わせて薬剤が「適応症」に載っていなければ、自動的にチェックされる。チェックされた処方は審査員にまわされて再チェックされるが、問題がなければ保険者に請求される。

審査員の方に聞いてみたが、カポジ水痘様発疹症にアシクロビルは問題なく通しているそうだ。

保険者の方でもまたコンピュータにかけてレセプトと処方箋を照合する。こちらは詳しい病気の知識がないから、適応症に載っていない病名だとすぐ査定請求と言うことになる。

保険者の査定と言ってもまた支払基金や国保連に戻ってきて本当に査定すべきかどうかのチェックが入る。この時は、初回のチェックを通した審査員と違う人であるため「カポジ水痘様発疹症」=「ヘルペスウイルス感染症」であることを知らない専門分野外の審査員にあたるとそのまま査定と言うことになる可能性がある。

当然、再請求するべき事例ではある。

でも、この手続きが面倒なのだなあ。


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