2014/01/09
今シーズンから新しいインフルエンザの迅速診断システムを導入した。
富士フイルムが写真の増感現像をするときの技術を応用して、高感度のインフルエンザの迅速診断システムを開発したのである。
昨シーズンからすでに販売されていて、開発時にちょっとした縁があってアドバイスもしたので、その成果は気になっていた。
しかし、あまり感度のよいインフルエンザ診断システムが出来てしまうと、発熱したらすぐに病院に行けばいい。すぐにインフルエンザかどうかわかる、ということになってしまう。
今は、症状が出てから6時間から12時間経たないと確実な検査結果が得られないと言うことになっている。このことが、インフルエンザシーズンの夜間救急に発熱患者さんが押し寄せてくることの歯止めになっている。
2009年の新型インフルエンザの総括として、日本で行われている早期診断・早期治療が有効だったという論調が有力である。迅速診断を多用せずタミフルなど抗インフルエンザ薬を早期から使えない諸外国に比べて日本では格段に低い死亡率だったということがその根拠。
なので、「早期診断・早期治療」を否定するつもりはないのだが、「超早期診断・超早期治療」という流れになるのは問題だと思っている。
ただし、インフルエンザかどうか早く確定したいというケースは確かにある。
今日も急な高熱が出てから2-3時間、菌血症など重症感染症の可能性もあるなと思った1歳の子どもさんがインフルエンザBと診断できて、なんだインフルエンザかよかった、よかったという結末になった。
検査は使いようである。
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