2014/02/27
最近コッホ現象が増えているのではないかという話をあちこちで聞く。
コッホ現象とは、すでに結核に感染している人に結核のワクチンであるBCGを接種した時、通常なら接種後10日以上たって現れる発赤や膿胞が2-3日で現れる現象。
コッホ現象が出ると言うことは結核に感染しているという事だが、本当にコッホ現象かどうかの判定はツベルクリン反応などの検査を行ってみないと確定しない。
昨年弊クリニックでコッホ現象を疑ったケースが2例あったが、精査の結果はいずれもコッホ現象ではないという結論だった。
そんなわけで、見ただけでは断定できないのだが、コッホ現象陽性として結核の治療をはじめたケースが川崎市で5例あったという。
乳児のBCG接種がツベルクリンテストなしでダイレクト接種になってだいぶ経つが、この間コッホ現象として報告されるのは年に1例あるかないか。
昨年4月からBCG接種の時期が後ろにずれて5-8か月が標準的な接種時期となった。それまでは3-4か月での接種が普通だったので、BCG接種までの間に結核に感染する機会が長くなったと考えることも出来る。
BCG接種時期を遅らせたのは、免疫不全などの診断がついて接種禁忌者を見つけることができる、乳児期の予防接種スケジュールの過密化の解消をはかる等を考えてのことだった。
全国的にもこうした傾向が見られるのかどうか、現在調査中とのことで早く結果を知りたいものだ。
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