2014/04/17
急な高熱があった患者さんの血液培養検査(細菌検査)から肺炎球菌が検出された。
子どもの発熱の原因の大半はウイルス感染で抗菌薬は不要。
しかし、血液の中に細菌が入り込む菌血症や髄膜炎は別である。有効な抗菌薬を迅速に使わないと重大な結果を招くことがある。
この辺りが、抗菌薬の適正使用の上での大きなポイント。何でもかんでも抗菌薬を使わないのがよいわけではない。
熱の原因診断が大切な所以である。
ヒブワクチン 小児用肺炎球菌ワクチンが定期接種になって、ヒブ菌による髄膜炎や菌血症などの侵襲性感染症は91%減少したのに対し、肺炎球菌による菌血症や髄膜炎は71%の減少にとどまる。
この差はヒブが1種類の菌しかいないのに対して肺炎球菌は数十種類の菌がいることによる。
現在使われているワクチンは7種類の菌に効く7価ワクチンから13種類の菌に効く13価ワクチンに変わっているのだが、それでもこの13種類以外の菌による菌血症や髄膜炎が起きる可能性がある。
今回のケースも13価ワクチンを接種しているので、おそらく13価ワクチンに含まれない菌による可能性が高い。
どういう菌だったかの判別には1か月ほどかかるとのこと。
ちなみに患者さんは抗菌薬が効いて翌日にはケロッとしていた。
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