2014/06/03
おたふくかぜが流行り始めているようだ。
ここ1ー2週で他所の医院や休日診療所でおたふくかぜと言われたという患者さんが何人か来ている。
しかし診察してみると腫れているのが耳下腺ではなくリンパ腺だったり、何度も同じように耳下腺が腫れる反復性耳下腺炎だったりで、本物のおたふくかぜはいなかった。
一度ワクチンを接種しているおたふくかぜの診断は案外難しい。
症状が軽いので触っただけではまず診断はつかない。
血液検査でもすぐに確定するのは難しいが、超音波検査を併用して今の腫れがおたふくかぜなのかどうかはある程度わかる。
はっきりしないものをおたふくかぜと断定されてしまったら受けるべき2回目のワクチンを逃してしまうことになる。なによりも休まなくていい保育園や幼稚園を何日も休まなくてはならない。
ちょっと困ったなと思ったのは、抗菌薬を処方して、薬が効いて腫れが引いたらおたふくかぜじゃない、腫れが引かなかったらおたふくかぜだ、という診断法だ。
昨日の患者さんはワクチン未接種。熱もなく片側しか腫れていないので典型的ではないが耳下腺炎ではある。おたふくかぜの診断で大切なのは周囲の流行状況で、この患者さんの場合、思い当たる感染経路がないという。
こういう場合は、血液検査でおたふくかぜウイルスの抗体をチェックして本当におたふくかぜなのかどうかをはっきりさせておきたい。
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