2014/11/10
今月のスタッフミーティングは髄膜炎菌性髄膜炎ワクチンの製品紹介。
髄膜炎菌性髄膜炎と言っても、何それ?って感じだろう。
当院のスタッフの反応も概ねそういう感じだった。
細菌性髄膜炎と言えば、ヒブ、肺炎球菌が有名で、この二つで小児期の細菌性髄膜炎の8割を占める。ワクチンの普及でこの2菌種による重症感染症は激減している。問題は2割残った髄膜炎を起こす細菌の中で一番凶悪なこの髄膜炎菌である。
髄膜炎菌による髄膜炎は主にアフリカの「髄膜炎ベルト地域」と呼ばれる地域で流行しているが、欧米諸国でも散発している。
アメリカでは学生寮や兵舎など若年層が集団生活するところでの流行が問題となっていて、髄膜炎菌ワクチンが定期接種となった。アメリカに留学する場合には髄膜炎菌ワクチンの接種が必要になる。
現在わが国では年間20人から30人の患者さんが出ている。数から言えば決して多いとは言えないが、いったん感染すると症状が激烈で死亡率も高いので、エボラ出血熱なみの脅威である。
来年中には日本で初めて承認された髄膜炎菌ワクチンが発売となる。
「メナクトラ」という名前で、4種類の莢膜型に有効な4価結合体ワクチンである。
うちのようなクリニックで製品紹介してもあまり効率はよくないと思うのだが、ワクチン啓発に熱心なところというクリニックということでやってきたととのこと。
アメリカへの留学に必須となるこのワクチン、どの程度の範囲に勧めるのか、これから課題となっている。
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