2015/01/14
先日大学病院にお願いしたイレウスのケースは翌日に執刀医の先生から経過報告をいただいた。その後、文書でも経過報告が届く。
診断は腸間膜裂孔への内ヘルニアによる絞扼性イレウス。
先方でもエコーが決め手となった ようだが、造影CTなどを行って診断確定、緊急手術となったそうだ。壊死した小腸を60㎝切除し、術後の経過は良好とのこと。
一歩間違えばショック状態となり命が危うい。間一髪だった。
今日、成育医療センターの五十嵐先生が日本医師会雑誌に「慢性疾患をもつ子どもへのtransition」という特集を組んでいるので興味深く見ていた。
同じ巻に埼玉県立小児医療センター放射線科の小熊栄二先生が
「画像診断セーフティマネジメントー判断に迷う症例から学ぶ」のシリーズで、「絞扼性イレウスー明日を迎えられるか」という症例の記事を書いておられる。
腹部単純写真で典型的な鏡面像を伴うイレウスの画像所見がなく診断に迷ったということ。当院ではX線撮影装置は開院6年目に廃棄したので腹部単純写真は撮れない。それでいきなりエコーと言うことになったのだが、今回のケースはこれが結果的にはよかった。
プローブをあてたとたんに「うぁっ!イレウス!」
急性腹症の診断で一番手っ取り早いのはやはりエコーだ。特に診療所レベルでは。
あとからこの記事を読んで、あらためて危なかったなと胸をなで下ろし、それから運が良かったなと思った。
もしこの子が、夕方終了間際のドタバタした時にきて、あとに医師会の用事なんかがあったりしたらどうだっただろう。
ほんと、朝のあの時間でよかった。
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