2015/04/23
「最近多いよね」と小児科医が顔を合わせると出る話題が「手足口病」と「ヒトメタニューモウイルス感染症」。
手足口病は近隣の保育園で出ているという話はよく聞くのだが、当院では手足口病はまだほんの少し。
保育園で言われて受診される方が多いのだが、発疹の分布が非典型的だし、水疱もないし、何と言っても口内炎がない。
2年ほど前に非定位型的な手足口病が流行した。そういうものかも知れないのだが、今のところ典型的な症状でおいでになる方は少ない。
はっきりさせるにはウイルスの同定検査なのだが、まだその結果は出ていない。
ヒトメタニューモウイルス感染症は昨年も今ごろに流行した。流行が分かったのは迅速診断キットが健康保険で使得るようになった事が大きい。ただし、健康保険で検査料を請求するためにはX線撮影で肺炎と診断してからでないと認めてもらえない。当院のようにX線撮影装置を廃棄してしまったところではこの検査は持ち出しになっていた。
それでも、病原体診断は大切である。
どうせ特別な治療薬がないのだったら診断しても意味はない。みんな風邪でいいじゃないかという方もいるようだ。
そう思う方はそういう医療をしていればよろしい。
自分が何をみているのか。目の前の患者さんに何が起きているのか。どういう拡がり方をして、どう治っていくのか。
それが分かっているのであれば、もう検査の必要はないと私も思う。
長く熱が続く「風邪症状」の患者さんが来れば、いったい何なんだろうと私は疑問を持つ。
患者さんも同じで、答えを知りたいと思うだろう。
そういう気持ちがなくなった時は引退を考えるときなのかも知れない。
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