2015/04/27
GWが近づいてきた。当院の診療予定はカレンダー通り。昨年のようにバンクーバーで学会とマラソンなどという楽しい予定もなし。GWが近づくにつれて外来が忙しくなってくる。今日も延長戦だった。
遠出をする前にお薬をという人も増えるし、そもそも今はいろんな感染症が多い。
保育園が始まってそろそろ1ヶ月で、もう二回りくらい風邪が回っているのではなかろうか。
アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルス、溶連菌、RSウイルス、ロタウイルス、リンゴ病など多彩。
その中で気になるのが侵襲性肺炎球菌感染症。
これは肺炎球菌が血液や髄液や関節液など通常は無菌であるはずの部位から検出される状態で、菌血症、敗血症、髄膜炎、化膿性関節炎などをさす。
この2週間で立て続けに2例。どちらも13価肺炎球菌ワクチンを3回目まで接種済。
両ケースとも菌血症を予測して高用量の抗菌薬の内服したため、すぐに解熱して大事には至っていない。
ポイントはどういう人に血液の細菌検査をして高用量の抗菌薬を使うかにある。
何でもかんでも熱があったら抗菌薬という時代もあった。「念のために」とか何とか言って抗菌薬を使っていた。結果論としては侵襲性感染症も知らずに治療できていた可能性はある。
しかし、そのような医療から耐性菌の問題が出てきて、抗菌薬の適正使用が叫ばれることになった。
抗菌薬の適正使用とは抗菌薬を使わないことではない。
使うべき患者さんをきちんと見つけ出し、適切な抗菌薬を選ぶことが肝心である。。
何でもかんでも「風邪に抗生物質は要らない」ですましてはいけないのである。
そのためには、検査も必要。
検査で得られた情報から、次に検査しないでも分かる観察眼が養われるのである。
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