2016/05/15
この週末は14日(土)を休診にして札幌で開かれた小児科学会総会に出かけた。
毎年必ず出席する学会がいくつかある。開業して、小なりとは言え一国一城の主になって閉じこもっていると、いつか井の中の蛙になりかねない。
いろんな知識をブラッシュアップすると言う意味でも、旧知の方々との再会という意味でも学会は大切な場所である。
今回の学会でぜひ聴かなくてはと思っていたシンポジウムがある。
現在「積極的勧奨の中止」という事で事実上接種が止まっている子宮頸がんワクチンの問題である。
子宮頸がんワクチン接種後に痛みや脱力や痙攣など多彩な症状を呈する方がたくさんおられて、それがワクチンの副反応であると訴えておられる。
医学的な見地からは、ワクチンの薬液が直接引き起こす症状とは考えがたい。世界中で接種が続いているこのワクチンで、このようなことが問題になっているのは日本だけだ。
この問題を、ワクチンが引き起こした新しい病気(HPVワクチン関連神経免疫症候群)であると主張される先生が出てきて自説を主張された。
残念ながら、「病気」の定義からして医学生がみてもおかしいんじゃないかというもので、説得力はまるでなかった。
シンポジウムの冒頭で座長が子宮頸がんワクチンを再開した方がよいか、再開しない方がよいかを挙手によるアンケートを取った。
再開した方がよいというのが圧倒的多数だった。
その後、この先生を含めて、子宮頸がんワクチンの問題をいろんな角度で5人の演者が講演した。
シンポジウムの最後にもう一度アンケートが行われた。
シンポジウムの議論を聴いて、子宮頸がんワクチンを再開した方がよいか、再開しない方がよいか。
やはり圧倒的多数で、再開した方がよいという結果だった。
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