2016/06/30
2014~15年シーズンから、当院では国内未承認の経鼻噴霧型インフルエンザ生ワクチン・フルミストを個人輸入により希望される方に接種してきました。
2014年シーズン、2~9歳では従来の注射による不活化ワクチンと比べて有効性が高いというデータがあり、アメリカではフルミストが推奨されたことが大きな根拠となっていました。
ところが2015年シーズンには、フルミストの有効性は低いとして、注射による不活化ワクチンと同列の評価となり、推奨のレベルが落ちました。
このシーズンはワクチン製造の遅れもあり、有効性にも疑問が出てきたので、個人輸入の量をキャンセルできない最低限まで減らしました。
2016年6月22日にアメリカCDCはワクチン接種に関する諮問委員会(ACIP)の決定を受け2016~17年シーズンのインフルエンザワクチンにフルミストは使用すべきではないとのニュースを出しました。
ここ3シーズンのデータで、フルミストの有効性が認められないというのが理由でした。
ヨーロッパでは有効性が確認されたとするデータがありますが、当院としては、アメリカCDCの決定を受けて、今シーズンのフルミストの個人輸入は行わないことにしました。
また、これまで当院では注射によるインフルエンザワクチンはチメロサールが添加されていない注射器に充填されているワクチン(プレフィルド)を主として使用してきました。
今シーズンは熊本地震の影響で、熊本に工場を持つ化血研が被害を受け、ワクチン生産が遅れる見通しです。ワクチンの必要量を確保するため、メーカー他社は生産量を増やす必要が生じたため、(手間のかかる)チメロサールを添加しないワクチンの生産を今シーズンに限り中止するとのことです。
このため、今シーズンのインフルエンザワクチンはすべてチメロサール入りとなります。
チメロサール等の防腐剤は入っていないのに越したことはありませんが、自閉症との関連はすでに医学的に否定されており、心配する必要はないと考えています。
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