2021/08/20
5月に高齢者の優先接種が始まった時から院内の個別接種と高津市民館での集団接種に看護師ともども参加している。始まった当初はワクチンの供給があきれるほど少なく、このままだとすべての接種が終わるのは来年3月だなと思った。医療従事者の優先接種は2月から始まったが、開業医に順番が回ってきたのは4月中旬で、それでも早い方だった。
小児科クリニックで高齢者を対象にワクチンを接種することに抵抗がある人も多かった。
クリニックの造りからして、お年寄り向きにできていないし、接し方にも慣れていない。しかし、私たち小児科医は予防接種のエキスパートである。普段の業務で、ワクチンの扱い、接種の手技、説明と同意など流れは確立している。12歳以上の全国民を対象とした臨時接種に小児科医が先頭に立たないでどうするのか。
というわけで、医師会の役員という立場もあったが、高齢者の個別接種に手あげしたのだった。
接種後15分の状態観察というのがくせ者で、このために待機する場所が必要になる。しかも感染対策で「密」になってはいけない。何とかやりくりして、12人分の待機場所を捻出する。
接種する時間は、診療時間外にするほかない。個別接種とは言え、一般の診療の合間に高齢者のワクチンというのは、1日に数人というのなら話は別だが、小児科では現実的ではない。結局、平日3日昼休みの1時間と土曜日の午後不定期としたが、高齢者独特の行動を計算に入れてなかった。
高齢者は早く来るのだ。1時30分の予約の人が、12時30分にやってくる。午前中の診療が終わって片付けに入ろうとしたら、もう午後の人が来ている状態で、これではスタッフが食事も休憩も取れない。開始を15分遅らせて、若い人が多くなってからは少し余裕が出たが、それでもこの状態はSustanableではない。次の予約からは更に15分遅らせて2時開始とする事にした。
(つづく)
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